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全身を1分以内に駆け巡る血液
全身を1分以内に駆け巡る血液
酸素や栄養素を全身の細胞に迅速かつ効率的に
配達しているのが血液です。
血液の量は体重の8%(1/13)とされています。
体重50kgの女性なら約4.0リットルの血液が
全身を駆け巡っていることになります。
血液は、
心臓によって動脈の中へ押し出されます。
肺で酸素を補え、心臓から血管中に押し出された
動脈血は、動脈管を移動して、
脳、肝臓、消化管などの臓器に
栄養素と酸素を与えています。
それから、酸素を失った血液は、
静脈血となって組織にとって
不要な二酸化炭素などを受け取り、
心臓に戻ってきます。
血液が全身を一周して
心臓にもどってくるのに、
要する時間は、約1分です。
怪我などで大量に出血し、一定量を超えると、
人は死にますが、
それは酸素と栄養素が
細胞に届かなくなるからで、
全血液量の30~40%の血液が出血すると
死ぬことになります。
50kg女性でいうと、1.6~2.2リットル程でしょうか。
脳は、
全身でもっとも酸素不足に弱い臓器であり、
もし3~5分も酸素が運ばれなければ、
脳は酸欠に陥り、
二度と回復できないダメージを受けてしまいます。
細胞は、
血液によって届けられた栄養素と酸素を利用して
必要な物質やエネルギーを生産する。
このとき栄養素が酸化され、
最終産物として二酸化炭素ができる。
酸素が手放した赤血球が二酸化炭素を捕らえて、
肺に持ち帰り体外へ放出する。
このように二酸化炭素は
呼吸によって吐き出されています。
酸素を運ぶヘモグロビンの秘密
血液の最大の特徴は、
大量の酸素を運ぶ能力が
極めて高いということです。
酸素を溶かす能力を血液と水で比べると、
血液の特徴が明確になります。
水1000ml中に酸素は、7mlしか溶けないのに対し、
血液1000ml中には、
250mlもの酸素が溶けるのであります。
血液は水の35倍もの酸素を
取り込みことができる液体なのです。
血液が酸素を捕らえるのは、
赤血球に含まれるヘモグロビンという
赤いタンパク質のおかげで、
血液が赤いのはヘモグロビンのせいなのです。
赤血球は円盤状で直径8ミクロン、
厚さ2ミクロン程の大きさですが、
毛細血管で細いものは
直径1ミクロンしかない部分もあります。
毛細血管の方が細いのに赤血球が
毛細血管をうまく通過しているのは、
赤血球の真ん中が凹んでいて、
凹みをうまく活用して
毛細血管をくぐり抜けているのです。
酸素を肺で捕らえ、
酸素を必要とする細胞で酸素を放出する
ヘモグロビンは細胞にとって
「酸素の宅配業者」であります。
ヘモグロビンは酸素の濃度が高い肺では
酸素を捕らえ、酸素濃度の低い組織で酸素を
放出する性質であるがゆえ
ヘモグロビンが活躍できる秘密であります。
またヘモグロビンは酸素と一緒に
一酸化窒素も捕えていて、
一酸化窒素が血管を拡張し、
血圧を下げて、
血液の通りを良くすることも
同時に行っています。
こんなとろこで、
血液について少し理解して頂けましたでしょうか。
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