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忘れてもらっては困る水の働き

2019.07.08

忘れてもらっては困る水の働き

(H2O)は2個の水素と1個の酸素からできた小さくて単純な分子ですが、

冷却すると氷になり、常温では水道水や雨のように液体であり、

熱すれば湯を沸かす際の蒸気のような気体になる。

このように条件によって姿を変えるのが水の特徴であります。

しかも水は地球でもっとも豊富に存在する物質であり、生物が生きるために必要なプロセスにもかかわっています。

人が、三大要素(タンパク質、脂質、糖質)やビタミンを摂らなくても、

水と塩分さえ補給していれば、

数十日間、断食を続けることができます。

 

人体での水の仕事は3つあります。

1栄養素や老廃物を運搬

2体温の上昇を抑える

3組織間液が潤滑液として働く

 

1栄養素や老廃物を運搬

水が人体に必要な栄養素を受け取ったり、老廃物を対外に運び出したりしています。

老廃物の中には栄養素の代謝によって細胞で発生した二酸化炭素といった気体もありますし、

尿素や尿酸のような固体もあります。最終的には尿、便、汗と一緒に対外へ排泄されます。

便秘が健康に悪いのは、

本来、からだから排泄されるべき老廃物や有害物質が体内に残留してしまっているからなのです。

 

2体温の上昇を抑える

水の比熱と気化熱が高いことを利用した体温の上昇を抑える効果。水の比熱が高いため、

大量の熱を吸収しても、温度はわずかしか上がらない。こうした人体に大量の熱が発生しても、

体温をそれほど上昇させてないようにしています。

人体では発汗による体温を下げるしくみがなかでも効果的に行われています。

激しいスポーツをすると体内に熱が大量発生しますが、

マラソン選手の深部体温は、41℃を超えていることがあるようです。

脳は42℃を超えると神経細胞が死んでしまうから、体温を下げねば命が危ない。

ここで体内の水が活躍する仕組みになっています。ちなみに、

水100mlが蒸発するとき58kcalもの気化熱を人体から奪っています。

一方人体の比熱は0.83なので、体重70kgの人の熱容量は、

0.83*70=58.1kcalで、先の気化熱の値とほぼ同じ、すなわち、

100mlの汗をかいて、それが蒸発すれば、体温が1℃下がる

ということです。

 

3組織間液が潤滑液として働く

組織と組織のあいだを満たす組織間液が間接の潤滑剤として働く。

歩くにもジョギングするにも、首をまわしたり手足を動かすにも、骨と骨が間接のまわりで回転している。

骨と骨がこすれて摩擦が起こりダメージが起きないようにしているのも水(組織間液)が潤滑剤として

働いているからなのであります。

 

スポーツでからだを動かすと、汗びっしょりになります。このとき、乾いた喉を潤そうと水を飲む。

水を飲むことで、血液の量を一定に維持するためだ。

なぜ、血液の量を一定にしなければならないかというと、

血液の循環と発汗をいつもベストの状態に維持するためであります。

運動すると汗をかいた分、水分を補わねばなりません。

 

<効果的な水分のとり方>

運動するすこし前にあらかじめ水を飲んでおくことで、いずれ飲まねばならない水を、

先手を打って飲んでおくことで、脱水状態になるのを防げます。

それだけではなく、あらかじめ水を飲んでおけば、

運動中の汗の量も増え、体温の上昇は水を飲まないときより小さくてすむというわけです。

具体的には、運動の10~20分まえに500ml程度の飲むとよいといわれています。

このように運動前にしっかり水分をとったからといって、運動中に水分を補給しなくていい

というわけではないので誤解がないように。

準備はあくまでも準備で、運動中にも水分を十分に補給することを忘れずに。

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